市長からごあいさつ（令和3年11月）「風土 × 技術」

　毎年この時期になると、ボジョレー・ヌーヴォー解禁のニュースが聞こえてきます。ワインには風土や気候、人的要素について評価する際に「テロワール」という言葉がありますが、フランス語で「大地」を意味する「TERRE」が語源となっていて、ワインにおける気候や土壌など、ブドウの栽培環境による特徴を語る際に使用されます。

　本市では、フランスのワインの制度にならって、12年前から市が高品質なみかんを認定する「有田市原産地呼称管理制度」を開始しました。ふるさと応援寄附金への返礼品として活用することで成果が表れてきていますが、この制度を次のステージへ飛躍させるべく様々な取り組みを進めています。

　まず、作り手やみかんそのものの個性を感じながら、産地に想いを馳せて食べていただけるように、土地の特徴や風土などを記載したリーフレットを作成し、各農家さんが認定みかんを出荷する際に同梱しています。

　また、当初から原産地呼称管理制度にご理解いただき、高品質なみかんを生産されている農家さんを「プラチナファーマー」として認定する制度を開始しました。認定された農家さんとお話させていただくと、日々努力を重ね、現状に満足せず試行錯誤する熱意に深く感動するとともに、生み出される品質の高いみかんに毎年驚かされます。作り手の技術が向上し、おいしいみかんが生産され、新たな有田みかんのファンが増えるという好循環を生み出し、持続可能なみかん産業となるというのが、本制度の目標です。

　　まだまだフランスのワインのようにはいきませんが、日ごとに黄金色に色づいていく実のように、我々も着実に制度を成熟させてまいります。

有田市長　望月良男