市長からごあいさつ(令和元年10月)「秋の夜長に」
すっかり日も短くなり、静かに更けゆく秋の夜長に虫の音が澄み渡ります。昔から日本人は、多くの虫が鳴く様子を雨音に例えて「虫時雨(むししぐれ)」と表現するほど、秋の深まりとともに虫の合唱を心地よく感じてきました。しかしながらこれは、日本人特有の感性と言われ、外国の方々には単なる音、つまり雑音として聞こえているそうです。人の感じ方や考え方を一律に定義することは難しく、蓼(たで)食う虫も好き好きということです。
さて、今月から人権尊重地区別学習会が始まります。市民の皆様が気軽に参加できる人権啓発の場として、学習内容や上映するビデオの選択などを工夫しながら毎年実施しており、これまでも様々な人権課題に向き合い学習することで、お互いを認め合える人権感覚の育成に努めてきました。
基本的人権の尊重は、日本国憲法の最も重要な理念の一つであり、いつの時代においても最大限尊重されなければなりません。ライフスタイルの多様化や情報過多、社会的事象への無関心化が進む現代社会においても、地域に根ざしたこの学習会のような機会を継続して行い、その体験を通して自分の問題として捉えることで、人権に対する意識は変化していくと思います。
人権学習会において、一人でも多くの皆様から色々な声が交わされ、広がりを得ることで、より一層関心が高まることを期待しています。そして、それぞれの声にしっかりと向き合い、一人ひとりが生き生きと暮らせる地域社会の実現に繋げてまいりますので、秋の夜長に皆様のご参加をよろしくお願い申し上げます。
有田市長 望月良男
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