糸我得生寺の来迎会式

ページID1000919  更新日 平成30年10月1日

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写真:来迎会式の様子


中世以降の仏教文化の一端を知る貴重な行事である。

中将姫の命日にちなんで、毎年14日に行われるのがこの来迎会式で、5歳から12歳までの25人が菩薩の面をつけ、袈裟や緋の衣をつけて25菩薩になって開山堂から本堂へ練り歩く。

中将姫和讃

抑(そもそも)当麻(たえま)の曼荼羅の 其(その)らんじょうをたづぬれば
天平宝字(てんぴょうほうじ)のころとかや 豊成郷(とよなりきょう)のおんむすめ
中将姫(ちゅうじょうひめ)と申ししは ようがんいともうるわしく
十三歳のはなのはる 名も遠近(おちこち)に聞へけり
ここに継母(けいぼ)のねたみにて なれし屋かたを出でたまい
はるばる紀の路に送られて 三年(みとせ)有田の雲雀山
忠義にあつき春時が はぐくみ受けて身をおさめ
日夜称名おこたらず 称讃経(しょうさんぎょう)を書き給う
不思議に父子(おやこ)対面し なみだのふちの硯り水
明けて十五のおん年に 都にかへり給いけり
十有七のおん年に 深く出家をこころざし
やがて当麻(たえま)の寺に入り 名をも法如(ほうにょ)と改めり
六月中(ろくがつなか)の五日より まことのみだをおがまんと
勇猛精進一心(ゆうみょうしょうじんいっしん)に 願いを込て祈りけり
たちまち浄土の阿弥陀仏 老尼の姿を示現して
蓮の糸を染井戸の 水は五色にわかつなり
左脇(さきょう)の大士観世音(たいしかんぜおん) また織姫とあらわれて
一丈五尺の曼荼羅を 一夜三時に織り給う
それよりこのかた信念も いよいよ深くすすみ行き
浄土曼荼羅御絵相(ごえそう)は 観経所説(かんぎょうしょせつ)の心なり
二十九歳(にじゅうくさい)のなかの春 大往生をとげたまう
一度拝する輩(とも)がらは みな極楽へ往生す

所在地
有田市糸我町中番 得生寺
備考
昭和43年4月16日県指定(無形民俗文化財)

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