市長からごあいさつ(平成27年7月)願いごと

ページID1001660  更新日 平成30年9月27日

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写真:望月良男市長


雲のない夏の夜空に、「天の川」と呼ばれるきれいな星の集団を見ることができます。毎年七月七日に織姫と彦星の二つの星が川を渡るとなぞらえて、願いごとを書いた短冊や飾りを笹の葉につるし、星にお祈りをする七夕祭り。皆さんも子どもの頃に経験されたのではないでしょうか。

今のように橋のなかった昔は、天界に限らず、川を越えるということは、一大事であったと推測できます。熊野への参詣のため上皇、天皇及び貴族が熊野詣をした際にも、安全を願いながら有田川を渡りました。有田川の名称は「暴れ川(あれかわ)」から「安諦川(あでかわ)」を経て変化したといわれており、川が増水した時に渡し場に川止めの札が立てられた渡し場跡が今も残っています。

宮原から川を渡り、熊野古道沿いをたどりますと、中将姫ゆかりの得生寺、日本最古の稲荷神社といわれる糸我稲荷神社、糸我稲荷から少し行くと糸我王子跡があり、そこから宮原を一望できる糸我峠へと続きます。この峠は、通称「七曲がり」と呼ばれる曲がりくねった坂道で、万葉集や平家物語などにも記されるほどの古代から「紀伊路・糸我峠」と呼ばれた交通の要衝地でありました。

このような地域の歴史的景観を遺すため、国史跡指定へのお願いをしていたところ、祈りが通じたのか、このたび国の文化審議会から日本の国史跡に指定するよう、文部科学大臣に答申がなされました。

国の史跡に指定されますと、その価値が全国的に認められ、将来にわたって保存整備などに国からの支援を得られます。市としましては、維持管理や美化活動を引き続き地元団体の方々にご協力をいただきながら、これまで同様に環境を重視した保護保全活動を実施してまいります。

日本の宝として紀伊路・糸我峠を守り活かしていくため、景観の保全や観光客受け入れなどまちづくりの方向性を市民の皆さんと一緒に考えていきたいと思いますので、何卒ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

有田市長 望月 良男

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